地の家八誓
私たちの誓い―進む道筋。
日本は南北に長く海に囲まれた火山帯の上にあり、気候は複雑で、自然災害の多い風土を特徴とします。日本各地で培われた建築様式や建築技法はこの特徴的な風土の中で洗練され、匠たちの手で受け継がれてきた文化です。地の家八誓はその匠たちが大切に守り続けてきた心を現代社会に適合した形で再確認し、地域の家づくりを担う者に相応しい姿を八つの誓いにまとめたものです。
地域の、地域による、地域のための家づくりが普通に行われる社会を実現するために、この運動に参加する施工者が日々歩むべき道筋を定め互いの戒めとしたものです。
地の家八誓
- 一、私たちは、わが国匠文化の正統な継承者であることを自覚します。
- 一、私たちは、地域の家を地域で造る社会を目指します。
- 一、私たちは、地域を豊かにする家づくりに努めます。
- 一、私たちは、「すべては住み手のために」の心でお施主様に尽くします。
- 一、私たちは、地域の文化、環境を大切にした家づくりをします。
- 一、私たちは、地域の住まいの守り人として働きます。
- 一、私たちは、互いに学び、助け合って地の家の発展に励みます。
- 一、私たちの誇りは、嘘のない仕事をすることです。
地の家八誓概説
一、私たちは、わが国匠文化の正統な継承者であることを自覚します。
匠文化の正統な継承者であることを自覚することで、「地の家」は地域の家づくりを担う施工者としての位置づけを与えられるのです。
一、私たちは、地域の家を地域で造る社会を目指します。
地域の家づくり文化を守り継ぐのは「地の家」の使命です。私たちはこの使命を果たすために地域の家は地域で造る家づくりの文化を堅持しなければなりません。
一、私たちは、地域を豊かにする家づくりに努めます。
「地の家」の「地の家」たる所以は地域の人・モノ・知恵を活かした家づくりです。家づくりを通じて豊かな地域づくりに貢献するのは「地の家」の務めです。
一、私たちは、「すべては住み手のために」の心でお施主様に尽くします。
「施主への献身」は匠文化の要です。施主の幸福を己の幸福として精進し、偽りのない心で施主様に接するように努めましょう。
一、私たちは、地域の文化、環境を大切にした家づくりをします。
「地の家」は地域と共に生き、地域とともに栄えなければいけません。「地の家」の家づくりが地域の文化や環境を壊すようなものであってはなりません。
一、私たちは、地域の住まいの守り人として働きます。
古来より匠は建物を造りそれを守り継ぐことを使命としてきました。地域の家を守ることは建てることと同じぐらい大切なことなのです。
一、私たちは、互いに学び、助け合って地の家の発展に励みます。
匠文化は先人から受け継がれた誇るべき日本の文化です。この貴重な生活文化を守るために私たちは互いに学び高めあう努力を惜しんではいけません。
一、私たちの誇りは、嘘のない仕事をすることです。
手を抜かない、誤魔化しをしない、手順を怠らない、私たちの誇りは嘘のない正直な仕事をすることです。